忍者が諜報活動のため城に侵入する方法とは

更新日:

忍者はどうやって城に侵入した?

音もなく辻を走ったり、数メートルの塀を軽々と飛び越えたり、そうかと思えば水の上をすいすいと渡り、危険が迫ると妖術を使ったように消えてしまう。

忍者というと、そんな姿を想像してしまうが、これは映画や小説のなかでの忍者像だ。
「忍者」という名称も、戦後の小説から一般的となった。とはいえ、忍者の歴史は古く、はるか昔の飛鳥時代には、聖徳太子が大伴細人を「志能備」という諜報員として使ったと伝えられている。

戦国時代の武将も敵を偵察し情報収集をする集団を抱えており、野猿や乱破と呼ばれるものなどが実在した。

彼らが諜報員として動くには、城内に入り込む必要があったと思われるが、ではどうやって潜入したのだろうか。

ひとつには、忍具を使って入る方法が考えられる。「鉤縄」は、縄の先に鉄鉤がついており、塀やがけを登るときなどに使用できる。「忍刀」は、普通の刀と違って反りがなく、塀を乗り越えるときなどにたでかけ、足がかりにできた。さらに、情報収集のために変装をしたことも考えられる。

城側も敵に潜入されることは想定していたようで、防止策を講じていた。たとえば、熊本城の小天守が建つ石垣の隙間にある「忍返し」と呼ばれる長さ60センチくらいの鉄串がそうだ。

ちなみに、忍者は暗闇にまぎれて動くこともあるため、彼らが身にまとう装束は身軽で目立たないものだった。映画やマンガなどでは、全身黒装束が主流となっているが、じつは真っ黒だとかえって月明かりで輪郭が浮き出てしまう。実際の忍装束は、紺色か、柿色だったようだ。



この記事を見た人は、一緒にこんな記事も読んでいます!
ナビ
Page Top